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お知らせ

2021年01月12日



ポーラ伝統文化振興財団では設立以来、わが国の貴重な伝統文化に貢献され、今後も
活躍が期待できる個人または団体に対し、更なる活躍と業績の向上を奨励することを
目的として、顕彰を行ってまいりました。 本年で40回を迎えた「伝統文化ポーラ賞」。
この度、弊財団40年の軌跡と共に、過去ポーラ賞受賞された方々を随時ご紹介致します。

 

第18回 伝統文化ポーラ賞 特賞

 池田八郎「土佐古代塗の伝承」

世川祐多(パリ大学博士課程)

 土佐古代塗は明治時代に鞘師(さやし)の種田豊水(たねだ ほうすい)により創始された。豊水は明治時代に人力車の背面に蒔絵を施すなどして名を馳せた名工である。土佐古代塗の特徴は、下地に糊などを混ぜずに漆だけを用い、乾かない間にくるみの殻の粉末を地の粉として蒔く(以前は輪島地の粉を用いていた)蒔地法とよばれる技法にある。このために、30日以上かけて丹念に作り上げられる土佐古代塗は、ザラついた鮫肌のような質感であり、強固で重厚感がある。もう一つの特徴は何といっても、素手で触れても指紋がつきにくいというオリジナリティにある。

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鮫肌のような質感と漆の光沢が趣を漂わせる

 しかし、土佐古代塗には断絶の危機があった。豊水が創始して以来土佐古代塗は弟子たちにより継承されたが、戦後に入ると生活様式の変化と、プラスチックなどの器の台頭で凋落した。そこに現れたのが池田八郎氏であり、池田氏は唯一の継承者として土佐古代塗を守り抜き美禄堂を設立された。昭和時代には、昭和天皇や常陸宮殿下へ献上の名誉にも預っている。

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むら無く漆を纏わせる、職人の技

 池田氏のこだわりは、絶対に漆以外の顔料を使わないことにある。そのことでしか、優雅且つ堅牢な漆器はできないからだ。

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一本一本の細部まで、丁寧な作業が光る

 今、その魂は、唯一の土佐古代塗の職人である息子泰一氏に受け継がれている。

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池田氏こだわりの土佐古代塗

◇写真ご提供:土佐古代塗 美禄堂(下記リンクからHPをご覧いただけます)
 https://kodainuri.iinaa.net/

 

 

 


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