2016年08月10日
平成28年度、第36回伝統文化ポーラ賞の受賞者が決定いたしました。
今年は優秀賞2件、奨励賞1件、地域賞5件、合計8件を表彰いたします。
伝統文化ポーラ賞は、伝統文化の世界で活躍が期待できる個人や団体
を顕彰し、その取り組みを奨励するもので、昭和56年(1981)の第1回から
今年で延べ296名の受賞者を出しました。
贈呈式は、10月26日(水)、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて
執り行う予定です。
◆伝統文化ポーラ賞 優秀賞
鉄絵銅彩の制作・伝承 神谷 紀雄 (千葉県)
箏曲の演奏・振興 砂崎 知子 (東京都)
◆伝統文化ポーラ賞 奨励賞
京舞の伝承 井上 安寿子 (京都府)
◆伝統文化ポーラ賞 地域賞
<北海道・東北>
会津本郷焼の伝承・振興 宗像 利浩 (福島県)
<関東>
紙布の制作・伝承 櫻井 貞子 (茨城県)
<北陸・甲信越・東海>
金沢素囃子の継承・振興 木村 陽子 (石川県)
<中国・四国>
赤間硯の制作・伝承 堀尾 信夫 (山口県)
<九州・沖縄>
岩戸神楽の保存・伝承 中江岩戸神楽保存会 (熊本県)
※ 敬称略
※伝統文化ポーラ賞受賞者紹介ページ
http://www.polaculture.or.jp/promotion/current.html
平成28年度『第36回伝統文化ポーラ賞』マスコミリリースをダウンロード
2016年08月29日
8月25日(木)、会津本郷焼「宗像窯」を訪れ、今年の『伝統文化ポーラ賞』地域賞受賞の
宗像利浩さんにご挨拶をさせていただきました。
会津本郷焼は、東北地方最古の窯業地とされる福島県会津美里町で生産されてきた
焼き物で、その起こりは戦国時代まで遡ります。
宗像さんは、会津美里の地で300年続く宗像窯の八代目当主として、会津本郷焼の伝統
を継承し、父祖伝来の皿や鉢、壺などの伝統的な器づくりに携わる一方、日本陶芸展で
準大賞を受賞した「利鉢(としばち)」をはじめとする新しい会津本郷焼の制作に取り組ん
でこられました。
「禾目利鉢(のぎめとしばち)」(宗像窯HPより)
今回の訪問では、宗像さんへのインタビューのほか、工房にて作陶実演や技法・道具の説明も
していただきました。
これは、 宗像さんが作陶するロクロ。
赤い敷物の上に腰掛け、左右の穴に足を
下ろして、前方のロクロに向き合います。
ロクロの上には地元白鳳山の的場陶土。
それが宗像さんの手で、すっと伸び、みる
みるうちに器の形に成形されていきます。
これは、左から小刀、鉄カンナ、木カンナ。
形成された器は、形が動かない程度に乾燥
させた後、ロクロにすえて、高台(こうだい/
器の裏にある卓に接する台)を削ります。
昔から柔らかめの土の時、木で削ってきた
経験から鉄カンナを工夫して使うと高台は
ささくれ、味わい深くなるそうです。
この後、器が完全に乾いてから釉薬をかけ、窯での焼成、窯出しを経て、作品が出来上がります。
ここまでお読みになり、実際に宗像さんの作品をご覧になりたくなられた方へ、
嬉しいお知らせがあります。
宗像さんは今年が作陶40年の節目にあたり、以下の日程で大々的な個展を開催されます。
詳細が明らかになりましたら、改めてお知らせいたしますので楽しみにお待ちください。
■「作陶四十年 宗像窯八代 宗像 利浩 展」
2016年11月23日(水)~29日(火) 日本橋高島屋 美術画廊
2016年12月21日(水)~31日(土) 高島屋大阪店 美術画廊
また、会津美里町の宗像窯には、宗像さんとご子息の利訓さんの作品が見られる展示場が
ございますので、ぜひ足をお運びください。
最後に、執筆にあたりご協力いただいた宗像利浩さん、宗像窯の皆様に御礼申し上げます。
※宗像利浩さんは、第36回伝統文化ポーラ賞地域賞受賞者(平成28年)です。
http://www.polaculture.or.jp/promotion/current.html
※宗像窯公式ページはこちら
http://www.munakatagama.net/index.html
※会津美里町公式ページ「特産品 会津本郷焼」はこちら
http://www.town.aizumisato.fukushima.jp/s024/008/010/020/20151219155032.html