2014年01月24日
【お知らせ】機関誌「伝統と文化」37号(特集:歌舞伎の名跡を継ぐ)発行!!
ポーラ伝統文化振興財団は、普及活動の一環として、
機関誌「伝統と文化」を発行しています。このたび、
37号となる機関誌をデジタルブックで発行しました。
■機関誌「伝統と文化」37号(最新号)
http://www.polaculture.or.jp/gallery/magazine.html
本号では、歌舞伎の名跡について特集しています!
■特集 歌舞伎の名跡を継ぐ
第五期歌舞伎座が新開場となり、世界に認められたユネスコ無形文化遺産として、歌舞伎が華やかな一歩を踏み出したニュースは、多くの人々を魅了しました。一方で私たちは、近年、大きな名跡を相次いで失うという悲しみも目の当たりにしました。
本特集では、歌舞伎の芸が受け継がれていくために重要な、役者の名跡について取り上げました。
先人から伝えられた芸に、自らの芸を重ねて体現し、現代まで引き継がれてきた歌舞伎の名跡。役者は名跡を継いでいくために何を考え、どのように芸を磨き、舞台をつくってきたのでしょうか。
名跡を継ぐことによって伝えられてきた歌舞伎の新たな魅力をお伝えします。
■ポーラ伝統文化振興財団の1年間の活動紹介
本年度伝統文化ポーラ賞受賞者のみなさま、助成採択先、共催上映会等、当財団の活動についても、ご紹介しています。
その他、伝統文化ポーラ賞受賞者の受賞後のご活躍や助成先の活動報告も掲載!!
当財団ホームページ内のデジタルブックで、ご自由にご覧になれますので、ご案内申し上げます。
※機関誌「伝統と文化」37号(最新号)
http://www.polaculture.or.jp/gallery/magazine.html
※機関誌「伝統と文化」バックナンバー
http://www.polaculture.or.jp/gallery/backnumber.html
以上
2014年01月22日
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伝承ホール 民俗芸能公演
淡路人形座
- 受け継がれる500年の歴史 -
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ポーラ伝統文化振興財団では普及活動の1つとして、渋谷区の公共施設であります、
渋谷区文化総合センター大和田でのプログラムと連携し、協賛しておりますが、
今回は民俗芸能の公演を協賛にて開催いたします。
国指定重要無形民俗文化財である、『淡路人形浄瑠璃』の公演です。
平成25年度第33回伝統文化ポーラ賞地域賞を受賞いたしました、
鶴澤友勇さん(義太夫三味線)もご出演されます。
東京渋谷において、なかなか見ることの少ないこの機会に
ぜひ、淡路人形浄瑠璃の世界をお楽しみください!
◆日時 2014年2月23日(日)午後2時開演(午後1時30分開場)
◆場所 渋谷区文化総合センター大和田 6F 伝承ホール
アクセス http://www.shibu-cul.jp/access.html
◆出演 淡路人形座
◆演目
・戎舞
・奥州秀衡有鬠婿 鞍馬山の段
(鶴澤友勇さんご出演)
・鬼一法眼三略の巻 五条橋の段
※人形解説付き
◆料金
全席自由 一般3,000円/高校生以下1,000円(税込)
◆販売 発売中
渋谷区文化総合センター大和田3Fホール事務室
TEL03-3464-3252(10:00~17:00)
※車椅子席はお問合せください
※未就学児入場可(要チケット)
◆チケットのお申込み・お問い合わせ
渋谷区文化総合センター大和田(3F)ホール事務室
TEL.03-3464-3252
※上記、詳細は渋谷区文化総合センター大和田ホームページをご参考ください。
【三JOME】
2014年01月16日
記録大全集「イタコ 中村タケ」出版-芸術祭優秀賞を受賞
平成22年度の採択助成事業であった「全集『イタコ 中村タケ』」の出版事業」
(イタコ 中村タケを記録する会:代表 元大阪芸術大学教授 中山 一郎氏)が
ついに完了しその記録大全集が平成25年11月に出版されました。
昔ながらの伝統を守って巫業を行っている最後の世代「中村 タケ」さんを、
6年の歳月をかけ、大変なエネルギーを費やして記録し制作された本作品は、
これまで知りたくても難しかった「イタコ」のことを、とても分かりやすくきめ細かに紹介しています。
全集は貴重な映像や音声そして解説などがぎっしり詰まっている「DVD、CD、本」で構成され、
恐山で有名な「口寄せ」をはじめ、「オシラ遊ばせ」(ヌケ)「まじない・占い」等、
知られざる日本の文化、消えつつある儀礼、祈りの所作などの数々が見事に収録・展開されている、
貴重な民俗資料であるとともに、また芸術作品としても大変優れた内容であり
『信仰、習俗、音楽などが一体となっている日本文化の深層を明らかにする貴重な成果として
高く評価できる』として平成25年度文化庁芸術祭賞レコード部門の優秀賞を受賞しました
(25年12月25日発表)。
・ ・・死者との再会を担う、過去と現世をつなぐ“きざはし”。
輝くばかりの言葉とその音色は豊かでまた切実で、胸に迫ってきます・・。
中山代表は事業完了のことばとして
「一人のイタコに的を絞っての全集的・体系的な音響映像の公開は、
イタコ研究の嚆矢をなす柳田国男『遠野物語』の出版以来、
この約100年間初めてのことであり、61もの唱えごとの収録は、
82歳というタケさんのお歳を考えると今回がまさにラスト・チャンスであったろうと思われ、
収録できた喜びを噛みしめています。
本集が、これからのイタコ研究のみならず、民俗芸能や文化史・音楽史の分野で少しでも
お役に立ち得れば望外の幸せです」と語っています。
本作品に関するお問合せは 06-6765-2898(㈱アド・ポポロ)まで
2014年01月14日
事務所移転のお知らせ
拝啓
頌春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度弊財団は下記に事務所を移転することとなりました。
それに伴いまして電話番号、ファクス番号も変更になりますので、
大変お手数ではございますが、お手元の住所録のご変更をお願い致します。
また、住所変更により諸手続きがございましたら、ご連絡頂きますよう、
何卒宜しくお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら、書中をもちましてご案内申し上げます。
敬具
公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団
理事長 佐野 文比古
記
1、移転日 平成26年2月1日(土)
2、移転場所 〒141-0031
東京都品川区西五反田二丁目2番10号ポーラ第2五反田ビル2F
3、電話番号 03-3494-7653
4、ファックス番号 03-3494-7597
業務開始日 平成26年2月3日(月)午後
以上
2014年01月24日
【和をつなぐメッセージ】第8回 鈴木徹さん(陶芸家)
いま、伝統文化の各分野でご活躍の方々は、どのようなことを考え、取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
「和をつなぐメッセージ」では、伝統文化の各分野の第一線でご活躍のみなさまが、
そのわざをどのように未来へ「つなぐ」ことを考えていらっしゃるのか、
共通の5つの質問Five Questionsを通して、等身大のご意見を伺っていきます。
和をつなぐメッセージは、季刊でみなさまへお届けします。
第8回は、陶芸家の鈴木徹さんからの和をつなぐメッセージです。
<プロフィール>
鈴木徹 Suzuki Tetsu
1964年 岐阜県多治見市に生まれる
1987年 龍谷大学文学部史学科卒業
1988年 京都府陶工高等技術専門校卒業
1991年 第38回日本伝統工芸展入選 以降20回入選
2003年 第50回日本伝統工芸展 新人賞受賞
2005年 第1回菊池ビエンナーレ 大賞受賞
2008年 第36回新作陶芸展 日本工芸会賞受賞
2009年 第3回菊池ビエンナーレ 奨励賞受賞
2012年 平成23年度岐阜県伝統文化継承功績者顕彰
2012年 伝統文化ポーラ賞奨励賞受賞
2013年 母校龍谷大学より龍谷奨励賞受賞
<パブリックコレクション>
菊地寛実記念智美術館、兵庫県陶芸美術館、岐阜県現代陶芸美術館
①最近のお仕事で印象に残っていること。
大きな大きな壺が作りたくて、手捻りで積み上げて作りました。いくら大きなものを作っても、窯に入らなかったらどうしようもないですから、窯の入り口のサイズを測って、これに合わせて作っていきました。残念ながら、二つ作ったうちの一つは大きすぎて窯に入りませんでした。大きいだけに焼成にも神経を使いましたが、無事に焼き上がり個展の会場に並べることができました。これを見た皆さんが、驚いて下さった瞬間はやってよかったと思いました。
②この道を歩もうと決心したのは、何歳のとき、どのようなきっかけでしたか。
男ばかり3人兄弟の長男であった私は、弟たちへの見せしめか小さいころから親父に怒られてばかりいました。あまりに厳しくやられたものですから、大学に進学する際にはとにかく家から出たくて、京都の大学に進みました。歴史が好きでしたので史学科に進みました。その当時は、厳しい親父の下で陶芸をやろうという気持ちは全くなく、博物館か美術館の学芸員になりたいとの思いを抱いておりました。
ある日、大学のゼミの先生から卒業後のことを聞かれ、学芸員になりたい旨を伝えると、陶芸ファンであり、親父のことをよく知っておられた先生は、陶工専門校に行くことを薦められました。さすがに学芸員の募集なんてほとんど無かったので、先生の仰せに従ってそこを見学してみたところ何やら面白そうで、1年間通ってみてそれから考えて見てもいいやと思い通うことにしました。
そこでは、陶芸の工程を初歩から教えてもらうのですが、初めて自分でロクロを挽いて作ったものに釉薬を掛けて、それが窯から出てきたときのカミナリに打たれたような衝撃を今でも忘れることができません。DNAの覚醒というのか、これはやらなければいけないのだと強く思いました。間違いなくその瞬間が、私がこの道を歩もうと決心した瞬間です。23歳の時でした。
③座右の銘は。
座右の銘なんて恰好のいいものはありません。敢えてあげるとすれば一所懸命といったところでしょうか。当たり前のことですが、仕事の一つ一つと必死な思いで対峙しています。
④伝統文化を未来へつなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。
日本伝統工芸展への出品も27歳のときからですから、早いもので20年以上になり、支部においては、いろいろな役をさせて頂く年齢となって来ました。最近、若い人たちの出品が少なくなってきていることが気になっています。日本伝統工芸展の趣旨には「伝統工芸は、単に古いものを模倣し、技法を墨守することではありません。・・・今日の生活に即した新しいものを築き上げることが、我々に課せられた責務であると信じます」とあります。やはり若い人たちの息吹に触れ、新しい感覚を取り入れて会を活性化していくことが、この展覧会を盛り上げていく上において大事なことだと思います。老若交わり切磋琢磨していくことが、伝統文化を未来につないでいくことになると思っています。
⑤和をつなぐメッセージリレー
伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問をつないでいきます。
☆ 第8回は、太宰府木うそ保存会さんから鈴木徹さんへのご質問。
つないでいきたい、あるいは伝えていきたい緑釉陶器の魅力とは、どのようなところでしょうか。
☆ 鈴木徹さんからのご回答
織部釉を使用しながらも、今までに無かった緑色のやきものを作りたいとの思いから、織部と呼ばずに緑釉と名付けて発表してきました。これからも緑釉でやれる仕事はまだまだたくさんあると思います。皆さんを驚かせるような作品を発表し続けることが、緑釉の魅力を伝えることになると思っています。
【個展のご案内】
・2014年3月9日~16日 現代陶芸寛土里(千代田区)
・2014年10月22日~28日 日本橋三越美術特選画廊
◆陶藝 鈴木徹ホームページ http://www.k5.dion.ne.jp/~t_suzuki/index.htm
※鈴木徹さんは、平成24年度 第32回伝統文化ポーラ賞奨励賞受賞者です。