2014年01月16日
記録大全集「イタコ 中村タケ」出版-芸術祭優秀賞を受賞
平成22年度の採択助成事業であった「全集『イタコ 中村タケ』」の出版事業」
(イタコ 中村タケを記録する会:代表 元大阪芸術大学教授 中山 一郎氏)が
ついに完了しその記録大全集が平成25年11月に出版されました。
昔ながらの伝統を守って巫業を行っている最後の世代「中村 タケ」さんを、
6年の歳月をかけ、大変なエネルギーを費やして記録し制作された本作品は、
これまで知りたくても難しかった「イタコ」のことを、とても分かりやすくきめ細かに紹介しています。
全集は貴重な映像や音声そして解説などがぎっしり詰まっている「DVD、CD、本」で構成され、
恐山で有名な「口寄せ」をはじめ、「オシラ遊ばせ」(ヌケ)「まじない・占い」等、
知られざる日本の文化、消えつつある儀礼、祈りの所作などの数々が見事に収録・展開されている、
貴重な民俗資料であるとともに、また芸術作品としても大変優れた内容であり
『信仰、習俗、音楽などが一体となっている日本文化の深層を明らかにする貴重な成果として
高く評価できる』として平成25年度文化庁芸術祭賞レコード部門の優秀賞を受賞しました
(25年12月25日発表)。
・ ・・死者との再会を担う、過去と現世をつなぐ“きざはし”。
輝くばかりの言葉とその音色は豊かでまた切実で、胸に迫ってきます・・。
中山代表は事業完了のことばとして
「一人のイタコに的を絞っての全集的・体系的な音響映像の公開は、
イタコ研究の嚆矢をなす柳田国男『遠野物語』の出版以来、
この約100年間初めてのことであり、61もの唱えごとの収録は、
82歳というタケさんのお歳を考えると今回がまさにラスト・チャンスであったろうと思われ、
収録できた喜びを噛みしめています。
本集が、これからのイタコ研究のみならず、民俗芸能や文化史・音楽史の分野で少しでも
お役に立ち得れば望外の幸せです」と語っています。
本作品に関するお問合せは 06-6765-2898(㈱アド・ポポロ)まで