2013年10月25日
第33回伝統文化ポーラ賞贈呈式 開催報告
去る平成25年10月24日(木)、第33回伝統文化ポーラ賞の贈呈式をANAインターコンチネンタルホテル東京にて執り行いました。
今年は、全国から選ばれた大賞1件、優秀賞1件、奨励賞1件、地域賞5件の合計8件が受賞されました。
写真:受賞者のみなさん
第1部の贈呈式では弊財団 佐野文比古理事長の主催者挨拶、三隅治雄選考委員長による選考経過報告に続いて、受賞者紹介の映像上映と賞贈呈、受賞者を代表して大賞の観世清和さんにご挨拶いただきました。
写真:受賞者を代表してご挨拶する観世清和さん
第2部の受賞記念の催しでは、伝統芸能、民俗芸能各部門受賞者の実演をご覧いただきました。
能楽の伝承・振興で大賞を受賞された観世清和さんの演技披露、義太夫節三味線の伝承で地域賞を受賞された鶴澤友勇さんの演技披露で、華やかな舞台となりました。
写真左:舞囃子「高砂 八段之舞」を披露する観世清和さん
写真右:義太夫「卅三間堂棟由来 平太郎住家の段」を披露する鶴澤友勇さん
また会場に設けられた展示コーナーでは、工芸部門受賞者の作品・道具類、並びに民俗文化財研究者の著作・制作物が展示され、多くの列席者の皆さまに観賞いただきました。
なお受賞者の詳細につきましては、以下のページをご覧ください。
http://www.polaculture.or.jp/promotion/current.html
以上
2013年10月11日
【無料参加!】 上映会のお知らせ
「人・社・祭―文化風土の記録」
◆◇ 出雲は神在月 ◇◆
第3回となります、國學院大學と共催上映会を開催します。
先日、伊勢神宮の式年遷宮も終了しましたが話題となっております。
その内容を交えた講演も予定しております。
そして、11月(旧暦10月)は全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の国に集まる月です。
他の土地では神様が留守になるので神無月といいます。
出雲では「神在月」と呼ばれますが、出雲大社のお祭りの映像も上映致します。
ぜひご参加ください!
〇日 時 平成25年10月12日(土)14:00~16:30(開場13:30)
〇入場無料、定員150名
〇会 場 國學院大學 渋谷キャンパス2号館1階2104教室(変更の可能性あり)
(東京都渋谷区東4-10-28)
〇プログラム(予定)
映画上映① 「伊勢神宮―生命の森」 (30分 薗田稔監修 紀伊国屋書店制作)
講演 「伊勢と出雲 ―社叢文化から遷宮の意味を考える」
薗田 稔氏 (社叢学会副理事長・京都大学名誉教授)
映画上映② 「神々のふるさとー出雲神楽」(41分 ポーラ伝統文化振興財団制作)
映画上映③ 「一宮の祭祀―出雲大社神在祭」(30分 國學院大學日本文化研究所制作)
〇アクセス、その他詳細は 國學院大學HP
2013年10月09日
╋━◇ 岡山県立博物館
平成25年度特別展『japan-漆の世界-』
開催のご案内 ━◇━━━━━━━━╋
豊かな自然に恵まれた我が国では、古くから漆の文化が栄えました。
そして、先人たちの美意識と匠の技によって、芸術性を備えた
伝統工芸に高められ、「japan」が日本の漆芸品を意味する
ことからもわかるように、世界的に高く評価されています。
本展では、岡山県と香川県を中心に、
原始古代から現代にいたる我が国の漆芸の名品一五〇件を、
全4章構成で御紹介します。 (岡山県立博物館HPより抜粋)
そして、公演会や特別解説もございますのでぜひご参加ください。
また、本展覧会では、
当財団の記録映画『磯井正美のわざ -蒟醤の美-』を上映いたします。
作品とともに、ぜひご鑑賞ください。
〇会期:2013年10月11日(金)~11月17日(日)
午前9時30分~午後5時
〇休館日:10月15日(火) 21日(月) 28日(月)
11月5日(火) 11日(月)
〇入館料:大人650円 65歳以上320円、
高校生200円 小人180円(5歳未満無料)
〇アクセス、詳細はこちら⇒ 岡山県立博物館
【三jome】
2013年10月28日
【和をつなぐメッセージ】第7回 太宰府木うそ保存会 さん
いま、伝統文化の各分野でご活躍の方々は、どのようなことを考え、取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
「和をつなぐメッセージ」では、伝統文化の各分野の第一線でご活躍のみなさまが、
そのわざをどのように未来へ「つなぐ」ことを考えていらっしゃるのか、
共通の5つの質問Five Questionsを通して、等身大のご意見を伺っていきます。
和をつなぐメッセージは、季刊でみなさまへお届けします。
第7回は、太宰府木うそ保存会 さんからの和をつなぐメッセージです。
<プロフィール>
太宰府木うそ保存会
平成10年12月 太宰府木うそ保存会発足
平成23年 1月 太宰府市民遺産第1号に認定
平成23年10月 第31回伝統文化ポーラ賞地域賞受賞
平成24年 4月 太宰府市制施行30周年記念特別表彰受賞
①最近の仕事で印象に残ったこと。
太宰府の木うそは太宰府天満宮の鷽替神事に欠かせない祭具ですが、同時に幸運のお守りとしても親しまれてきた伝統民芸品です。平成23年に太宰府市民遺産第1号に認定され、太宰府の顔として太宰府市制施行30周年記念事業で姉妹都市扶餘郡へ木うそが贈呈されたことはとても嬉しいことでした。
②保存会を設立しようと決心したのは、いつ、どのようなきっかけでしたか。
太宰府天満宮の鷽替神事や参道の店に木鷽を納めていた職人たちが平成初め頃、次々と廃業していきました。廃業していった原因は、原木の入手困難、職人の高齢化と後継者不足でした。参道では木鷽が消え始め、今後の鷽替神事の催行にも影響が出るのではと危惧される状況になりました。その状況を鑑みた故・木村當馬氏(太宰府天満宮神職の木鷽制作者)は市民の有志が立ちあげていた木うそ制作者の会(青栁健夫ほか5名)に協力を依頼し、平成10年2月に木うそ後継者育成講習会を開催しました。この講習会がターニングポイントとなり、その後会員数が20名を超え、同年12月に太宰府木うそ保存会を設立することになりました。
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◎写真左:後継者育成講習会 /写真右:木うそ絵付体験教室
③座右の銘は。
「一刀入魂」
太宰府の木うそは突鑿一本で木を削り出して形作られる一刀彫です。特に太宰府の木うその特徴は薄く巻き上げた繊細な羽です。羽は木うそ制作の最終段階に突鑿を使って巻き上げますが、ほんの少しの力加減で、作業が始めからやり直しとなってしまうほど難易度の高い部分です。羽を巻き上げる技術を習得するには、突鑿を自在に使いこなす鍛錬が必要で、2~3年はかかります。そこで、木うそ後継者育成講習会では「まずは100個作りましょう。木うその形になってくるのはそれからです。」と教えています。ベテラン会員でも「これこそが自分のベストだ!」と言える羽を巻き上げることは難しく、常に試行錯誤しながら日々研鑽を続けています。
④伝統文化を未来へつなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。
・後継者育成講習会の開催
・原木「ホウノキ」の植樹や育成活動
・定期的な絵付体験教室や展示作業によるPR活動
・木工技術や広報活動などの情報交換を目的とした他産地交流会の開催
◎写真左:木うその森での下草刈り作業 /写真右:大分県大野原きじ車保存会との技術交流会
⑤和をつなぐメッセージリレー
伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問をつないでいきます。
☆第7回は、雨宮弥太郎さんから太宰府木うそ保存会さんへのご質問。
伝統をつないでいくために、時代の変化に応じて考えなければならないことは、どのようなことでしょうか。
☆ 太宰府木うそ保存会さんからのご回答
「温故知新」に尽きるのではないでしょうか。急な変革を求めるのではなく、伝えられてきた技術をしっかり受け継いでいくことがもっとも大事なことだと思います。今の保存会は無理に進化を求めてはいません。しかし、一方で先人たちがどういう背景で、どういうものを作ってきたか、正しく、詳しく知っておくことが肝要だと考えております。それを知る事が今の私たちの立ち位置を教えてくれているような気がします。
【公演・イベントのご案内】
○「木うそを作って、鷽替神事に行きましょう!」
日時:平成26年1月7日(火) 12:00~17:30
場所:太宰府館2階 木うそ絵付工房
〒818-0117 福岡県太宰府市宰府3丁目2-3 / TEL 092-918-8700
材料費:1,000円
※太宰府天満宮鷽替神事に手作りした木鷽で参加しましょう。
○「太宰府木うそ保存会設立15周年記念 つくって、つなぐ ~木うそのちから展~」(仮称)
日時:平成26年3月18日(火)~23日(日)
場所:九州国立博物館エントランスホール
観覧料:無料
○「太宰府木うそ保存会設立15周年記念 木うそシンポジウム」(仮称)
日時:平成26年3月22日(土)10:00~12:00
場所:九州国立博物館ミュージアムホール
◆大宰府木うそ保存会さんのブログはこちら
http://blog.goo.ne.jp/kiuso0211
※太宰府木うそ保存会さんは、平成23年度 第31回伝統文化ポーラ賞地域賞受賞者です。