2020年07月27日
ポーラ伝統文化振興財団では設立以来、わが国の貴重な伝統文化に貢献され、今後も
活躍が期待できる個人または団体に対し、更なる活躍と業績の向上を奨励することを
目的として、顕彰を行ってまいりました。 本年で40回を迎える「伝統文化ポーラ賞」。
この度、弊財団40年の軌跡と共に、過去ポーラ賞受賞された方々を随時ご紹介致します。
第32回 伝統文化ポーラ賞 地域賞 数河獅子保存会「数河獅子の保存・伝承」 川﨑瑞穂(博士・神戸大学特別研究員) |
大きな口に愛らしい瞳。日本各地には、個性的な「獅子舞」が数多く伝わります。「ライオン」としての獅子が登場する芸能は海外でもみることができますが、日本では仏教における聖獣、ないし狩猟の対象としての「シシ」(鹿や猪)の舞として伝承されています。 日本の獅子舞は大きく「伎楽」(ぎがく)系と「風流」(ふりゅう)系に分けられます。 |
初段「曲獅子」 |
岐阜県飛騨市古川町の数河(すごう)という地域には、この二人立ちの獅子舞「数河獅子」(すごうしし)が伝わります。大宝年間(701〜704)、新羅の僧・隆観が、獅子の狂いたわむれる様子を舞にしたことに始まるとされ、別名「高麗獅子」(こまじし)とも呼ばれます。9月5日の白山神社(上数河)・松尾白山神社(下数河)の祭礼にて奉納されるこの芸能では、大きな顔の獅子頭にホロ幕を垂らし、その中に前足後足の2人の舞手が入り、「太神楽」(だいかぐら:伎楽獅子の一種)を象徴するアクロバティックな芸を披露します。 |
二段目「天狗獅子」 |
舞は「曲獅子」、「天狗獅子」、「金蔵獅子」という三つの演目(段)から成り、その中の「天狗獅子」では、獅子だけでなく天狗、猿、熊も登場。三者は獅子の周りを踊り、様々な所作を見せます。天狗が獅子によって倒され、再び起き上った天狗が獅子を倒すという、物語性豊かな演目になっています。 |
三段目「金蔵獅子 |
伝統文化ポーラ賞を受賞した数河獅子保存会は、現在でも受賞時と変わらず、「数河獅子の保存・伝承」を主導し、地域の振興を支えています。
注1:2020年度は、新型コロナウイルスの影響で、例年通りの祭りが開催されないことがあります。詳しくは公式HPをご確認ください。 |
一般社団法人飛騨市観光協会 |