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お知らせ

2017年10月13日

 

 

五月人形・菖蒲湯・鯉幟等の風習が全国に「男児の節句」として普及しており、
これが現在の「こどもの日」につながっていることは、皆さんご存知でしょうが、
この時期には、日本の各地で凧揚げ大会も行われることについてはご存知でしょうか。

 

IMG_3702私の調査対象である「浜松まつり」もその中の1つです。
私はオーストラリア人ですが、毎年、浜松の人々に温かく迎え入れていただき、
様々な体験をすることが出来ています。
今日は、この場を借りて、毎年5月3日〜5日の3日間で行われる「浜松まつり」について紹介したいと思います。

ところで、「凧揚げ」というと日本の皆さんは「冬」や「お正月」を想像するそうですね。
しかし、浜松まつりの凧は、子供の日に揚げられます。
それは、まつりの起源に関わってきます。
浜松まつりの起源は室町時代に引間城の城主であった飯尾連竜の長男「義廣公」の誕生を祝うため、ある住民が「義廣公」を記した大凧を揚げた事とされています。
信憑性については近年疑われていますが、参加者にとっては大切なシンボル的な話です。しかし江戸時代の中期からの記録があり、とにかく長い伝統があることは事実です。

悲しい話ですが、戦時中は、一時中断されていました。
しかし、1948年に、浜松市連合凧揚会主催で第1回の凧揚げ合戦が復活しました。その2年後に、正式名称が「浜松まつり」と定められ、(2011年の震災による自粛を除き)今に続いています。

 

 

 

 

IMG_3564昼間に行われる凧揚げ大会は長男の誕生祝いのためのまつりであり、
各町の町紋(凧印)とともに、以前の1年間に生まれた長男(近年は次男・女児などでも)の名前が、6〜10畳の面積の紙が使われる大凧に記されています。

夕方・夜には「御殿屋台引き回し」と「練り」が行われます。
町内練りの基本的な特徴は、

①町紋が付いた法被と提灯で練り歩くこと、
②初子の自宅で「万歳三唱」をすること、
③お返しとして御馳走されること
です。飲酒をすることも、樽から日本酒を振り撒くこともしばしば見られます。
一晩でなんと5時間ほど、全身を酒まみれになりながら歩くことになります。

 

 

 

IMG_3674室町~戦後~現代と時代に合わせた変化もあります。
浜松まつりの参加地区の中で、特に住民の少ない千歳町は
近隣の外国人をよく受け入れていることが有名となり、
マスコミ取材が多くなっています。
出身の国は違っても、まつりを祝福する気持ちは、みんな変わりはありません。
沢山笑って、沢山しゃべります。そして、沢山の文化が交錯する。
現代の浜松まつりでは国籍も性別も関係なく、全体が一体となって「ハレ」の場を作りだしています。

 

 

 

 

サイモン・ジョン

オーストラリア出身。2006年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士前期課程修了。
2012年同後期課程満期退学とともに、神奈川大学国際センターで勤務。

 


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