2017年02月22日
今年度5回目となる國學院大學との共催講演会が、2月18日(土)14時から16時半頃まで、
國學院大學渋谷キャンパスにて開催されました。昨年、平成28年は諏訪の御柱祭の開催年
だったということで、今回はその「諏訪の御柱祭」をテーマに取り上げました。
最初の講演では、司会の茂木 栄先生より「諏訪大社の祭り」についてご説明いただきました。
諏訪大社(すわたいしゃ)は、長野県諏訪湖周辺に上社(前宮、本宮)と下社(春宮、秋宮)の
4箇所の境内地をもつ神社で、全国各地にある諏訪神社の総本社です。ご祭神である諏訪明
神は、古くは風・水の守護神で五穀豊穣を祈る神、そして狩猟の神、武勇の神として知られて
います。武家社会にて広く人々の信仰を集め、諏訪地域から全国へと信仰の範囲が広がりま
した。諏訪大社には御頭祭(おんとうさい)や遷座祭(せんざさい)などの恒例神事があります
が、実は諏訪大社の神事には南方的要素があると指摘されており、諏訪信仰は諏訪地域だ
けでなく広く九州まで含めて考えるべきとのことでした。
続いて、映像「諏訪の信仰と関連映像」(長野県下諏訪町教育委員会)を上映し、その後で
薗田 稔先生(秩父神社宮司、京都大学名誉教授)に解説をしていただきました。
諏訪大社の最大行事である御柱祭(おんばしらまつり)は、7年毎の寅と申の年に行われる神
事で、宝殿の建替と、宝殿の四隅に建てる「御柱(おんばしら)」と呼ばれる樹齢200年程のモミ
の巨木を選び、山から境内まで曳いてくる一連の行事を指します。
講演参加者は、映像を通じて、荒ぶる山の神を里に降ろし、里を守る温和な神へと変身させる
祭りの全行程を追体験し、荒々しい祭りと祭りにかける人々の熱気を感じることができました。
そして、薗田先生の解説では、なぜ諏訪の人々はあれほどまでに荒々しく危険な御柱祭を行う
のかという疑問に対し、日本の祭りが地元の風土や神話に基づくものであり、諏訪の場合は人
々を取り巻く諏訪盆地の風土と、自然や木を霊的なものとして信仰する文化があることを教えて
いただきました。
平成28年度の共催講演会は今回で最後となりました。沢山の方のご来場、どうもありがとうござ
いました。次年度の開催日につきましては、詳細が決まり次第、改めてお知らせいたします。
申し込み不要で参加無料ですので、引き続きのご来場をお待ちしております。
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