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お知らせ

2015年01月29日

【和をつなぐメッセージ】第12回 林美音子さん(柳川三味線)

いま、伝統文化の各分野でご活躍の方々は、どのようなことを考え、取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

「和をつなぐメッセージ」では、伝統文化の各分野の第一線でご活躍のみなさまが、

そのわざをどのように未来へ「つなぐ」ことを考えていらっしゃるのか、

共通の5つの質問Five Questionsを通して、等身大のご意見を伺っていきます。

和をつなぐメッセージは、季刊でみなさまへお届けします。

第12回は、柳川三味線 林美音子さんからの和をつなぐメッセージです。

 

林美音子さん

<プロフィール>

林美音子 Hayashi Mineko

柳川三味線・生田流筝曲演奏家。古典を母・林美恵子に、柳川三味線を津田道子師に、現代邦楽を沢井忠夫師に師事。国内のみならずポーランド文化芸術省・日本大使館後援公演、中国蘇州市外事弁公室国際交流センター招聘公演、ハワイ大学音楽学部後援公演など、グローバルな演奏活動を行う。2011年、くまもと全国邦楽コンクールにて優秀賞を受賞。続いて(公財)日本伝統文化振興財団「邦楽技能者オーディション」にて合格記念CD『柳川三味線 林美音子』をリリース(販売元:ビクター)。同年11月、文化庁芸術祭参加公演による初のリサイタル開催。2012年、「第32回伝統文化ポーラ賞奨励賞」を受賞。同年11月、京舞井上流五世家元、井上八千代師を客演に迎え、2度目のリサイタルを開催。2014年、第3回「柳川三味線リサイタル」では、古典曲目に加え、本條秀太郎師による委嘱作品や、現代舞踊との共演演目を披露するなど、柳川三味線の継承を中心に、現代における邦楽の在り方を模索し、新たな境地へと挑戦を重ねている。また教育現場における指導にも力を注いでおり、京都教育大学附属桃山小学校の和楽器講師、奈良教育大学非常勤講師などを務め、邦楽を未来に繋ぐ架け橋としての役割も担う。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等のメディアにも多数出演。

 

①最近のお仕事で印象に残っていること。

先日、奈良教育大学附属小学校にて、小学四年生全クラス(各クラス40分)を対象に、箏の授業を致しました。

生徒の人数に合わせた楽器や備品の準備や、楽器の運搬など、経緯においては大変な思いをしながらも、授業を終えた時の、子供たちの次のような一言がとても印象的でした。

(小学校の先生に)「先生!もっとお箏したい!」

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②この道を歩もうと決心したのは、何歳のとき、どのようなきっかけでしたか。

母が師匠ということもあり、3歳の時から和楽器を習い、それは当然の事のように育ちました。しかし、そのような状況が窮屈に感じ、一時期全く別世界へ身を投じた時期がありました。それから数年経ち、充実した社会経験をした上で、ある日、母が突如体調を崩し出演ができない、という事態となり、未熟ながらも代役を努めさせて頂きました。そのとき、母の音楽や意志を継ぐ、という事を実感し、地歌の伝承という大きな木の、一本の幹になれればと思いました。

 

③座右の銘は。

「四十、五十はまだまだヒヨコ」

母の師匠、地歌演奏家・三好敦子師の言葉です。座右の銘という言葉は正しく当てはまるかはわかりませんが、母もこの言葉をよく申しており、とても強く心に留まる言葉です。私はこの言葉を思うときはいつも、先人の方々から、次の様に言われているのだ、と感じます。

三十の若手など、タマゴで当然。タマゴのうちに沢山学び、躓き、恥をかき、常に自分に満足などできないとしても、邁進すればよい。そうすればきっと、四十・五十の時には、ヒヨコになれるのだ、と。

 

④伝統文化を未来へつなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。

奈良教育大学や、京都女子大学の教員養成学科での講義を通し、未来の音楽の教職員となられる学生達に、箏・三味線の奏法や子供への教え方、そしてなにより目の前でその音色の美しさや多様性を伝える、ということに努めています。また、京都教育大学附属桃山小学校や奈良教育大学附属小学校にて、子供たちの感動や意欲を引き出せる和楽器授業を心がけて実施しています。

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自身の演奏活動においては、古典演目を修めることは当然ながら、委嘱作品の演奏や現代舞踊との共演演目など、新たな世界へ積極的に挑戦し、発信するということに努めています。

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⑤和をつなぐメッセージリレー

伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問をつないでいきます。


☆ 第12回は、九代玉屋庄兵衛さんから林美音子さんへのご質問。

からくり人形は“形”があり、二代目が作った山車からくり人形が現在でも現役で動いています。音楽の場合は、その都度消えてしまう訳ですが、伝統的な音色、調べをどのような点に留意して伝承されていますか。

 

☆ 林美音子さんからのご回答

二代目の方がお作りになられたものが現役とのこと、まさに名匠の洗練された技の証だと、驚いております。
ご質問頂きました件につきましてお答えさせて頂きます。
私は、あまり理論的に考えることはせず、師匠の演奏そのままを体に吸収することを心がけています。特に留意しているのは、息遣いや空気、「間」かもしれません。仰せのように音楽はその都度消える瞬間の芸ですが、その瞬間をより完成度の高いものにすべく、長い時間をかけて何度も繰り返し稽古します。そうすることで、絶対の奏法・音色を、頑なまでに守っています。昔の音源等も譲り受け、独特な間の取り方や細かな感覚も可能な限り聴き取り、より精密な伝承を心がけ、努めています。

【公演のご案内】

・第15回『おち椿の会』

日時:2015年3月29日 午後4時30分開演

会場:京都 法然院

チケット:前売2500円、当日3000円、学生2000円 ※小中高生無料・未就学児は不可

主催:法然院(075―771―2420)/えん(072-683-6733)

後援:京都市・京都市教育委員会

 

・『紀尾井 午後の邦楽~四季の彩り 春~』

日時:2015年4月8日 午後1時30分開演

会場:東京 紀尾井小ホール

チケット:2000円(全席指定)/03-3237-0061(紀尾井ホールチケットセンター)

主催:公益財団法人 新日鉄住金文化財団

 

※林美音子さんは、平成24年度 第32回伝統文化ポーラ賞奨励賞受賞者です。

 

 

 

 



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