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お知らせ

2012年10月31日

【和をつなぐメッセージ】第3回 伊那人形芝居保存協議会 さん

伝統文化を未来へつなぐお仕事をなさっている方々は、
どのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
これからの伝統文化を担うため、さまざまな分野で
ご活躍の方々に、等身大のご意見を伺うFive Questions。
和をつなぐメッセージを季刊でみなさまへお届けします。

第3回は、伊那人形芝居保存協議会 柴登巳夫会長さんからの
和をつなぐメッセージをお届けします。

<プロフィール>
  伊那人形芝居保存協議会
  1984年 伊那人形芝居保存協議会 設立
  この協議会は、伊那の谷に残り伝えた4つの人形座
   (黒田人形・今田人形・早稲田人形・古田人形)が
    1つの組織になり活動。1年に1回、4座が一同に会し、
  合同発表会を実施、研鑽。
  近年は、中学生のクラブも2校ずつ加わり発表し、
  若い後継者と共に活発に活動している。

[主な受賞歴等]
 1974年「下黒田の舞台」重要有形民俗文化財指定
 1975年「伊那の人形芝居」記録作成等の措置を構ずべき無形の民俗文化財指定
 2002年 伝統文化ポーラ賞地域賞
 2010年 ポーラ伝統文化振興財団記録映画 第46作
     「伊那人形芝居-明日へつなぐ伝承のチカラ」完成

伊那人形芝居保存協議会さんへのFive Questions
①最近のお仕事で印象に残っていること。

一昨年の第28回の伊那人形芝居の合同発表会に文化庁及び、
長野県の担当者が出席くださり、見ていただきました。
このことは協議会の具体的な活動状況を知っていただき、深く
ご理解いただく良い機会となりました。

伊那人形芝居保存協議会4

伊那人形芝居保存協議会1

◎写真 四座公演 右:飯田市立竜峡中学校 / 左:阿南町立阿南第一中学校 

②協議会の設立は、いつごろ、どのようなきっかけでしたか。
 
昭和50年(1975)代に入り、伊那谷に残っていた人形座は、共通の問題を
かかえていました。それは若い後継者が少なく、存続が難しい状態に追い込まれ
ていました。
特に、浄瑠璃を語る太夫と三味線を弾く人がいなくなってしまう危機に直面して
いました。
この状況を何とかしなければということで、日下部新一先生(郷土史家 1906~2001)
の呼びかけにより、4つの人形座が一同に会し、話合いの機会を持ちました。これが
同会の設立のきっかけとなりました。
同会の合同発表会も今年で30回となります。

③座右の銘は。
 
継続こそ力なり。

④伝統文化を未来につなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。
 
若い後継者の育成。
伊那人形芝居保存協議会は、4つの中学校と2つの小学校のクラブ指導
にあたっています。30年以上も続いています。これにより、若い後継者が
育ち始めました。
また、社会に対し、広く理解していただき、応援を働きかけることも大切なこと
と思っています。
伊那人形芝居保存協議会2伊那人形芝居保存協議会3











◎写真 右:三味線研修 / 左:義太夫研修

⑤和をつなぐメッセージリレー
伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問を
つないでいきます。

☆第三回は、前回掲載の鶴澤藤蔵さん(人形浄瑠璃文楽三味線)から
伊那人形芝居保存協議会さんへのご質問。

現在文楽では隔年研修生を募集しています。文楽を見たことのない人も応募してきます。
特に語りや三味線は子供の頃から親しんでいないのでなかなか習得できないようです。
伊那では人形に関しては子供の頃から馴染んでおられるでしょうが、語りや三味線に
興味のある人はいますか?

☆伊那人形芝居保存協議会さんからのご回答。
伊那人形芝居では、2つの小学校、4つの中学校にクラブ学習を続けています。
その中から語りや、三味線に興味を持つ子供が出てくるのを待っているところですが、
なかなか出てきません。
語りや三味線にも挑戦する児童を待つのではなく、積極的に働きかけ、一緒に稽古する
機会を見出すよう、考えていきたいと思っています。


◎伊那人形芝居保存協議会さんは、第22回伝統文化ポーラ賞受賞者(2002年)です。
http://www.polaculture.or.jp/promotion/year.html


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