2012年05月08日
╋━◇ 展覧会のご案内━◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
金沢21世紀美術館にて4月28日(土)より『工芸未来派』展が開催されています。
本展キュレーターは金沢21世紀美術館長 秋元雄史さんです。
この展覧会は工芸の“現在性”と“世界性”を問う企画展である。つまり、この企画は、
工芸が「“今日”という時代を反映した表現であるか」、また、工芸が現代美術と同様に
「世界の様々な地域に目を向け、様々な、異なった出自をもつ文化と交換可能な世界
共通の課題をもてるか」、という疑問から生まれた展覧会である。
12名の作家による展示は工芸一色であるが、“ 今日のアート” として着目してほしい。
本展企画展には昨年、「博多人形の制作・伝承」にて第31回伝統文化ポーラ賞
優秀賞を受賞されました、中村信喬さんの人形も展示されています。
博多人形はモチーフ、形体などに一定の規範があるが、中村さんは自らの
個性表現に基づいて大きく広げた方です。博多人形の可能性を広げ、
人に夢を与える人形を作り続けている中村さんの作品は
「伝統工芸の人形」のイメージを一新することでしょう。
ぜひご鑑賞下さい。
○会期 :2012年4月28日(土)~8月31日(金)
○休場日 :月曜日(ただし、4月30日、7月16日、8月13日は開場)、7月17日(火)
○開館時間 :10:00?18:00 (金・土曜日は20:00まで)
○料金:<当日> 一般=1,000円 大学生・65歳以上=800円 小中高生=400円
○アクセス、企画展の詳細は⇒ 金沢21世紀美術館 HP
╋━━━◇ 内覧会でのお話で感じたこと ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
このたび内覧会に参加させて頂きました。
そこでの館長秋元さんのお話を少し抜粋させて頂きます。
・・・・・・・・今回は、“これが工芸だ”という風に絞り込むことはやめました。
現代美術に負けないくらい多様な、豊かな表現力があるんだな、と
そのように展示しました。
そここそが大事であると思います。
「工芸」は時として日本と大きく結びついている。国の代表する文化。
しかし、今の時代に生きる工芸は個人の表現、我々が個人で生きているのと
同じように個人の表現として、まずあるのだと。
「これが工芸だ」というのはない。
作家の方たちが、工芸論議をしていること。その時間が重要である。
現代美術と変わらない表現美術であるし、今の時代を形作っている表現、文化です。
その事をもう一度、「金沢」という、工芸の場所から
力強く発信したいと思いました。・・・・・・・・
秋元さんの仰る通り。その気持ちとお考えが表現された作品と展示でした。
伝統工芸から現代美術まで、様々な分野で活躍している作家さんの作品が、
秋元さんの構成により展示されていて、なんとも不思議な空間になっています。
私は、伝統文化の「伝統工芸」を普及する仕事をさせて頂いています。
伝統工芸のいわば王道を真正面から見てきているものとしては、
今回の企画と展示に胸躍らされ、そしてこの展覧会の意味を考えさせられました。
「工芸」の分野も21世紀美術館さんを訪れる、多くの皆さんに、
見て感じてもらえたらいいな、と強く感じました。
夏休みに金沢へ行った際にはぜひ!ご覧下さい。
(三JOME)