「お知らせ」では、ポーラ伝統文化振興財団の最新情報や顕彰・事業などポーラ賞関係者の展覧会・イベント情報をお伝えします。
既に終了した事業の報告は「伝統文化レポート」で、伝統文化を身近にお届けする読み物は「伝統文化通信」でお届けしますので、ぜひご覧下さいませ。
2025年09月17日
第67回 民俗芸能大会(北海道・東北ブロック)に、今年度の当財団助成事業としまして応援させていただいております、川西大念佛剣舞保存会のみなさまが参加されます。
※第32回(2012年度)伝統文化ポーラ賞:地域賞受賞の江差追分会の皆様も参加されます。
北海道・東北地区に伝承されております民俗芸能を継承されるみなさまが、それぞれの素晴らしい芸能を力いっぱい演じていただける大会です。ぜひ、当日会場でご覧ください。
期日:2025年10月26日(日)
時間:開演9時30分(会場9時)~終演15時
場所:岩手県盛岡市民文化ホール(大ホール) 盛岡市盛岡駅西通2-9-1
入場券:入場無料・先着順・自由席
問い合わせ先:岩手県文化スポーツ部 文化振興課(019-62-6486)
2025年09月16日
海燕社の小さな映画会2025にて、当財団の記録映画を上映いただきます。
「文楽に生きる 吉田玉男」:人間国宝・吉田玉男氏は文楽人形遣いに人生のすべてを賭ける。舞台に楽屋にその精通する姿を追いかけた貴重な映像となっております。
「伊那人形芝居ー 明日へつなぐ伝承のチカラ ー」:長野県の伊那谷に約300年前から継承されてきた人形芝居が、なぜ生き残ったのかを追い、伝承のチカラの秘密に迫った貴重な映像となっております。
ぜひとも、会場でお楽しみ下さい。
ご予約・お問合せ先は、海燕社098-850-8485 E-mail:[email protected]
海燕社ホームページ http://www.kaiensha.jp
・日時:2025年10月19日(日) 14時~
・会場:沖縄県立博物館 美術館 講堂(3F)
2025年09月16日
弊財団は、第34回伝統文化ポーラ賞(2014年)・奨励賞をご受賞された福田栄香先生が開催される『第二十八回 福田栄香の会 ~地歌を伝えて「謡曲を基に」~を後援しています。
●日時:令和7年10月15日(水) 午後6時30分開演(午後6時開場)
●会場:観世能楽堂 GINZA SIX 地下3階 東京都中央区銀座6-10-1
●入場料(自由席):6,000円 前売券5,500円
2025年08月26日
川西大念佛剣舞は、約900年前から岩手県奥州市衣川の川西地区に伝わる念仏踊りです。
平成5年12月に国の重要無形民俗文化財の指定を受け、令和4年11月には、この川西大念佛剣舞を含む「風流踊」がユネスコ無形文化遺産に登録されています。世界遺産として知られる中尊寺を建立した奥州藤原氏の初代清衡が、前九年・後三年の合戦で亡くなった者たちを供養するためにつくられた踊りとして伝承されています。中尊寺と縁のある踊りであることから、中尊寺からの依頼を受け、毎年5月3日と11月3日の春と秋の藤原まつり、8月24日の御施餓鬼会において踊りを奉納しています。
先日の8月24日(日)に奉納されました大施餓鬼会を拝見させていただきました。猛暑が厳しい中でしたが、中尊寺本堂の前の場所で、川西大念佛剣舞保存会のみなさまが、しっかりと感動的な舞を演じられていて、多くの参詣者の方々(外国の方も多く見受けられました。)が、夢中で見入るさまに心から感じ入りました。本当に、本当に素晴らしい剣舞でした。
この川西大念佛剣舞の基本の踊りである入剣舞は、十三仏に倣い13名で踊ることが習わしとなっていますが、面が6つ不足している状況のため、踊り手の人数を確保できても、かっての踊りを忠実に再現することができない状況が長く続いています。また、数十年途絶えていた演目「魔王」の復活に向けた練習にも取り組まれていますが、踊りで使用できる専用の面が無いため一般に公表できない状態とのことです。
今回の面整備事業への助成は、入剣舞や魔王等で使用する「猿」「押込」「魔王」「矢車」「猖足」の面を整備することを目的としています。この世界に誇る郷土芸能が保存・伝承され、また事業実施による取組の活性化により、保存会に所属する中高生をはじめとした若者の地域への愛着の醸成、地域への定着・継承にも資することができましたらと心から願っております。これからも応援して参ります。
2025年08月21日
加賀市の能楽は、大聖寺藩第14代藩主 前田利鬯公の頃に活発になりました。幕末と明治のうち、約20年間大聖寺に住まわれており、明治に滞在した9年間で主に町人に能楽を伝授され育てられたそうです。その後、昭和8年に錦城能楽会を立ち上げ、戦争を挟み、昭和32年に再度、錦城能楽会を立上げ、その後100回以上に及ぶ能楽大会などの活動を現在も続けております。
錦城能楽会の主な活動は、正月のお松囃子、5月の春季能楽大会、7月の菅生石部神社奉納演能、9月~12月に加賀市内の小学校を巡回するワークショップ、10月も秋季能楽大会と市民対象ワークショップ、11月3日市民文化祭への出演等、能楽の普及、振興に尽力をされております。
特に、小学校でのワークショップでは、加賀市内17校のうち、1年間に6校ずつ4年生~6年生を対象に全員が、謡、仕舞、笛、小鼓、大鼓、太鼓の6種類を体験しています。まさに、加賀市の能楽文化の発展と後継者育成、次世代への継承につながる大変素晴らしい活動です。
これらで使用する楽器は20年以上使用しているため皮が老朽化しており、使用に耐えられなくなってきています。中でも、老朽化の激しい小鼓、大鼓、太鼓の皮を更新しワークショップや能楽上演を継続して開催できるようにすることを今回の助成の目的とします。
また、演奏という点からも更新が重要です。能楽の囃子は基本的に謡を聴きながらそれに沿って演ずるのですが、お互いの音を聴きながら演奏します。老朽化した皮からの音は響きが悪く聴きにくい。そのため、お囃子全体がまとまらなくなってしまう。まさに、演奏するもの、演ずるもの、観ているもの(観客)にも大いに影響する大切な更新事業となります。
この伝統と歴史のある加賀市錦城能楽会の素晴らしい活動を引き続き応援してまいりたいです。