2016年02月29日
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開催 レポート
公開講座~藝をつくりだすもの~
其之壱「能楽」 其之弐「文楽」
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先日開催した公開講座のレポートをお届けします。
渋谷区文化総合センター大和田にて開催しました今回の講座は
ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、伝統芸能である能楽と文楽を取り上げました。
敷居が高いと言われる伝統芸能ですが、初心者や小さなお子さんでも
楽しめるようなプログラムをご用意しました。
大変人気の講座でチケット発売開始後すぐに完売となり、
当日は多くのお客様にご来場頂きました。
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1月24日(日)開催 其之壱「能楽」
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(会場の様子)
■ご出演 観世清和さん(二十六世観世宗家)
林 望さん(作家・国文学者)
■司会進行 鈴木英一さん(渋谷区伝承ホールプロデューサー)
第一部
(左から鈴木英一さん、観世宗家、林望さん)
能の魅力について、3名からのトークからスタートです。
・能の起源や室町時代に世阿弥が記した能の理論書「風姿花伝」について
・お正月のお祝いの舞、翁(おきな)について
・観世家のルーツである「鬼」について
などのお話をしてくださいました。
(鼎談にて昭和に写した鬼の面を披露)
観世家には700年前から代々受け継がれている赤鬼、黒鬼の面があり、
今回は昭和にそれを模して作られた面をお持ちくださいました。
第二部
観世清和さんによる仕舞「羽衣」の上演です。
上演後は会場のお客様と一緒に謡の体験です。
観世清和さんから姿勢や発声方法を教えていただき、「老松」を合唱しました。
最後にお子さんからの質問コーナーです。
・能を観る時にどこに注目してみればいいのでしょうか?
・日本語の言葉が難しいけど先生は難しくないのですか?
・好きな演目は何ですか?
など、お子さんならではの視点からの質問に宗家は丁寧に答えて下さっていました。
能公演ではなかなか見ることができない観世宗家のお話や仕舞をご覧頂くことができました。
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1月30日(土)其之弐「文楽」
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この度、の主役でのご出演は2015年4月に襲名されました、
文楽人形遣いの二代目吉田玉男さんです。
そしてこの講座にご協力いただいたご出演者です。
◇大夫
豊竹 靖大夫
◇三味線
鶴澤 清志郎 鶴澤 清允
◇人形
吉田 玉佳 吉田 玉翔 吉田 玉誉
吉田 玉路 吉田 玉延
「吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名記念講座」と題しました今回の講座では、
襲名や口上に関するお話をおうかがいすることができました。
【 第一部 】
「寿二人三番叟」の上演です。
上演後は司会の鈴木英一さんと吉田玉男さんの対談です。
襲名・口上に関する貴重な体験をお話してくださいました。
次に、「人形のこしらえ(人形に命を入れる過程)」を舞台で見せて頂くことができました。
人形に着物を着せ、糸で縫います。
これは人形遣い全員が公演前の準備で楽屋で1人で行う
大変重要な仕事ですが、今回初めて舞台上で行って頂きました。
「人形のこしらえ」が完成した後、
人形の三人遣いの方法を教えていただきました。
第一部の最後はお子さんとのワークショップです。
人形を動かす姿は真剣そのものでした。
【第二部】
「艶姿女舞衣」の上演です。
吉田玉男さんの女形の人形遣いを観ることができたのは大変貴重な機会となりました。
カーテンコールではご出演者全員が登場し、
吉田玉男さんのご紹介で皆さん一言ずつご挨拶頂きました。
ポーラ伝統文化振興財団1月発刊の最新号、機関誌「伝統と文化」39号では、
今回ご出演いただきました、二代目吉田玉男さんの襲名舞台について特集させていただきました。
(HP内デジタルブックにて公開中。画像をクリックください)
ポーラ伝統文化振興財団では今後も日本の伝統芸能の普及のためイベントを開催します。
またの機会を楽しみにお待ちください。
ご来場いただきました沢山のお客様、ありがとうございました。
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※個人、団体へ伝統文化の記録映画(DVD,VHS,16mm)の
無料貸出も行っています。ぜひご利用下さい。
http://www.polaculture.or.jp/movie/list.html