2014年03月25日
【和をつなぐメッセージ】第9回 砺波子供歌舞伎曳山振興会さん
いま、伝統文化の各分野でご活躍の方々は、どのようなことを考え、取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
「和をつなぐメッセージ」では、伝統文化の各分野の第一線でご活躍のみなさまが、
そのわざをどのように未来へ「つなぐ」ことを考えていらっしゃるのか、
共通の5つの質問Five Questionsを通して、等身大のご意見を伺っていきます。
和をつなぐメッセージは、季刊でみなさまへお届けします。
第9回は、砺波子供歌舞伎曳山振興会 さんからの和をつなぐメッセージです。
<プロフィール>
「出町子供歌舞伎曳山」の保存継承を目的に、曳山車を持つ三町によって
組織されています。
曳山車の保存修理や浄瑠璃太夫・三味線奏者の育成と、春祭りでの子供歌舞伎演舞を財政面で支援しています。
【主な指定と受賞歴】
昭和42年 砺波市無形民俗文化財
平成 6年 富山県無形民俗文化財
平成18年 富山県功労賞
平成21年 文化功労表彰・文部科学大臣表彰
平成23年 伝統文化ポーラ賞地域賞
①最近の公演で印象に残っていること。
次のような全国規模の催しに招かれ「子供歌舞伎」を披露できたことを誇りに思っています。
昭和60年 全国子供民俗芸能フェスティバル (奈良市)
平成4年 ジャパンエキスポ (小杉町)
平成8年 国民文化祭 (砺波市)
平成12年 全国子供歌舞伎フェスティバル (小松市)
平成14年 グリーンコミュニティ全国大会 (砺波市)
平成17年 近畿北陸東海ブロック民俗芸能大会 (大阪市)
②振興会を設立しようと決心したのは、いつ、どのようなきっかけでしたか。
以前から「浄瑠璃大会」を開いたり、文楽同好会のような組織はありました。しかし、子供歌舞伎曳山祭りに衰退の兆しが見えてきましたので、昭和40年に各曳山団体が連合して保存継承と振興策を図ることになりました。
③座右の銘は。
「一口浄瑠璃知らぬは男の恥」。浄瑠璃が盛んだった明治のころに言われた言葉で、地元では大人なら誰でもたしなんでいたのでしょう。今は?
④伝統文化を未来へつなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。
天明9年(1789年・現存する最古の資料年)に曳山車が築造され、今日まで子供歌舞伎が継続されている要因に、出町浄瑠璃の伝統があります。
その伝統の継承のため、毎年プロを招き浄瑠璃太夫・三味線奏者の養成を行っています。
⑤和をつなぐメッセージリレー
伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問をつないでいきます。
☆ 第9回は、鈴木徹さんから砺波子供歌舞伎曳山振興会さんへのご質問。
少子化が問題とされるなか、歌舞伎を演じる子供たちはもちろん、指導にあたる後継者の方を育てることはたいへんかと思いますが、どのようになされているのでしょうか。
☆ 砺波子供歌舞伎曳山振興会さんからのご回答
振り付けと化粧・着付け(衣裳は自前)は外部の指導者や役者の方にお願いしています。太夫・三味線は、今は何とか町内で賄える人数ですが、高齢化が進んでいます。また後見役については、町のドーナツ化現象で中心市街地に若者が少なくなり不足気味です。
歌舞伎を演じる小学生も、曳山三町では役者数の確保に限界が来ています。
いずれ地域の小学校校下の子供に枠を広げる時期が来ると考え、小学校に「子供歌舞伎クラブ」を作ってもらい「学習発表会」で発表するなど歌舞伎に親しんでもらっています。
【公演のご案内】
・春季祭礼
4月29日・30日 11回上演 (砺波市市街地)
・チューリップフェア公演
5月3日 11:30 , 14:00 フェア会場(砺波市文化会館) / 17:00 子供歌舞伎曳山会館
外題 「一の谷嫩軍記須磨浦の段組討の場」
※砺波子供歌舞伎曳山振興会さんは、平成23年度 第31回伝統文化ポーラ賞地域賞受賞者です。