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お知らせ

2014年06月26日


伝統文化シネマ新作映画「鬼来迎-鬼と仏が生きる里」文部科学省選定をいただきました!

 

公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団では、保存記録作成事業の一環として、国の重要無形文化財、重要無形民俗文化財等を撮影し、「伝統工芸の名匠」「伝統芸能の粋」「民俗芸能の心」の各シリーズの記録映像を制作しています。

第48作は「民俗芸能の心」シリーズとして、千葉県山武郡横芝光町虫生に数世紀にわたって伝えられてきた「鬼来迎」を撮影しました。

本映画は平成26年5月に、文部科学省選定をいただきました!

 

◎「鬼来迎」とは

鬼来迎は、鬼舞とも呼ばれ千葉県の東部、成田空港から約20キロの九十九里浜近くにある里、虫生の地で数世紀前から伝わってきました。現在、里の25戸が継承に献身しています。

8月16日の盆の施餓鬼供養のあと、古刹広済寺境内の仮設舞台で毎年上演されています。

鬼来迎は、平安時代中期に始まったといわれる大和当麻寺の菩薩来迎会などと系譜を等くするとされ、仮装した阿弥陀如来と諸菩薩が死に臨む念仏信者を迎えに来て、浄土に導くさまを演じる法会の儀礼を受け継ぎ、さらに堕地獄の恐怖のさまを前半に見せて、来迎のありがたさを実感させるように仕組んだ仮面劇です。

閻魔の庁での裁きから亡者に対する鬼の呵責、それを地蔵菩薩・観音菩薩が来迎して救済するまでを4場面に分け、セリフをまじえて演じられる、わが国唯一独自の仮面劇です。

鬼来迎
左:赤鬼 / 右:「大序」

 

◎撮影の舞台裏

鬼来迎の本番は、8月16日。お盆の施餓鬼供養のあとに、演じられます。

昨年は、記録的な酷暑でした。国内の複数の地点で40度を越える気温のなか、千葉県山武郡横芝光町の虫生の里も、かなりの猛暑となっていました。

撮影隊も、暑さとの戦い。ヒヤロン(ホカロンのヒンヤリバージョン)持参で行きました。しかし、実際の撮影では、スタッフはヒヤロンを使う余裕もないほど、撮影に集中。5台のカメラで本舞台、舞台袖、舞台裏をおさえた映像は圧巻です。

舞台では、黒鬼や赤鬼が跳ね回ります。この跳ねる足使いが非常に独特なのですが、具足をつけているので、とても暑いのです。この環境下での、この舞台。それも、この民俗芸能をつなげていきたいという鬼来迎保存会会員のみなさんひとりひとりの心から。演者のみなさまに拍手です。

  舞台幕 舞台前の稽古

 左:大切に伝えられてきた舞台幕 / 右:月夜の下 舞台前日の稽古

 

◎「鬼来迎-鬼と仏が生きる里」あらすじ

千葉県山武郡横芝光町虫生には、数世紀にわたり仮面劇・鬼来迎が伝えられてきました。それを支えているのは、わずか25戸の集落の人々です。毎年8月16日施餓鬼供養のあとに演じられる「鬼来迎」に向けて大人も子供も、里人たちが心をひとつにしていくさまを丹念に記録。里人たちの生活と共にある民俗芸能の姿を描きだします。

釜入れ黒鬼

左:「釜入れ」 / 右:黒鬼

 

◎「鬼来迎-鬼と仏が生きる里」DVD貸出について

当財団では普及事業の一環として、記録映画の無料貸出を行っております。本映画のDVD等の貸出については、平成26年7月1日より開始します。無料貸出についての詳細はこちら。

http://www.polaculture.or.jp/movie/rental.html

 

◎もっと知りたい「鬼来迎」

今年の「鬼来迎」の情報を掲載しています。

千葉県山武郡横芝光町公式ホームページ

http://www.town.yokoshibahikari.chiba.jp/syoukai/kankou2/01_01.html

 

※機関誌「伝統と文化」37号デジタルブック版掲載

 伝えたい美・ひとvol.3「里人の「誇り」が支える国指定の民俗芸能」

 http://www.polaculture.or.jp/gallery/magazine.html

 

※【予告】機関誌「伝統と文化」38号(平成27年1月末発行予定)

 財団TOPICS 「来迎会と鬼の劇」三隅治雄(監修・執筆)

 

以上


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