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お知らせ

2013年10月28日

 

【和をつなぐメッセージ】第7回 太宰府木うそ保存会 さん


いま、伝統文化の各分野でご活躍の方々は、どのようなことを考え、取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

「和をつなぐメッセージ」では、伝統文化の各分野の第一線でご活躍のみなさまが、

そのわざをどのように未来へ「つなぐ」ことを考えていらっしゃるのか、

共通の5つの質問Five Questionsを通して、等身大のご意見を伺っていきます。

和をつなぐメッセージは、季刊でみなさまへお届けします。

 

第7回は、太宰府木うそ保存会 さんからの和をつなぐメッセージです。

 

<プロフィール>

木うその森看板前で集合写真

太宰府木うそ保存会  

平成10年12月 太宰府木うそ保存会発足

平成23年 1月 太宰府市民遺産第1号に認定

平成23年10月 第31回伝統文化ポーラ賞地域賞受賞

平成24年 4月 太宰府市制施行30周年記念特別表彰受賞

 

 

①最近の仕事で印象に残ったこと。

太宰府の木うそは太宰府天満宮の鷽替神事に欠かせない祭具ですが、同時に幸運のお守りとしても親しまれてきた伝統民芸品です。平成23年に太宰府市民遺産第1号に認定され、太宰府の顔として太宰府市制施行30周年記念事業で姉妹都市扶餘郡へ木うそが贈呈されたことはとても嬉しいことでした。

 

②保存会を設立しようと決心したのは、いつ、どのようなきっかけでしたか。

太宰府天満宮の鷽替神事や参道の店に木鷽を納めていた職人たちが平成初め頃、次々と廃業していきました。廃業していった原因は、原木の入手困難、職人の高齢化と後継者不足でした。参道では木鷽が消え始め、今後の鷽替神事の催行にも影響が出るのではと危惧される状況になりました。その状況を鑑みた故・木村當馬氏(太宰府天満宮神職の木鷽制作者)は市民の有志が立ちあげていた木うそ制作者の会(青栁健夫ほか5名)に協力を依頼し、平成10年2月に木うそ後継者育成講習会を開催しました。この講習会がターニングポイントとなり、その後会員数が20名を超え、同年12月に太宰府木うそ保存会を設立することになりました。

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後継者育成講習会 木うそ絵付体験教室


 ◎写真左:後継者育成講習会 /写真右:木うそ絵付体験教室

 

③座右の銘は。

「一刀入魂」

太宰府の木うそは突鑿一本で木を削り出して形作られる一刀彫です。特に太宰府の木うその特徴は薄く巻き上げた繊細な羽です。羽は木うそ制作の最終段階に突鑿を使って巻き上げますが、ほんの少しの力加減で、作業が始めからやり直しとなってしまうほど難易度の高い部分です。羽を巻き上げる技術を習得するには、突鑿を自在に使いこなす鍛錬が必要で、2~3年はかかります。そこで、木うそ後継者育成講習会では「まずは100個作りましょう。木うその形になってくるのはそれからです。」と教えています。ベテラン会員でも「これこそが自分のベストだ!」と言える羽を巻き上げることは難しく、常に試行錯誤しながら日々研鑽を続けています。

 

④伝統文化を未来へつなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。

 ・後継者育成講習会の開催

 ・原木「ホウノキ」の植樹や育成活動

 ・定期的な絵付体験教室や展示作業によるPR活動

 ・木工技術や広報活動などの情報交換を目的とした他産地交流会の開催

木うその森での下草刈り作業 大野原きじ車保存会との技術交流会

◎写真左:木うその森での下草刈り作業 /写真右:大分県大野原きじ車保存会との技術交流会

 

⑤和をつなぐメッセージリレー

伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問をつないでいきます。


☆第7回は、雨宮弥太郎さんから太宰府木うそ保存会さんへのご質問。

伝統をつないでいくために、時代の変化に応じて考えなければならないことは、どのようなことでしょうか。

 

☆ 太宰府木うそ保存会さんからのご回答

「温故知新」に尽きるのではないでしょうか。急な変革を求めるのではなく、伝えられてきた技術をしっかり受け継いでいくことがもっとも大事なことだと思います。今の保存会は無理に進化を求めてはいません。しかし、一方で先人たちがどういう背景で、どういうものを作ってきたか、正しく、詳しく知っておくことが肝要だと考えております。それを知る事が今の私たちの立ち位置を教えてくれているような気がします。

 

【公演・イベントのご案内】

○「木うそを作って、鷽替神事に行きましょう!」

    日時:平成26年1月7日(火) 12:00~17:30

    場所:太宰府館2階 木うそ絵付工房

        〒818-0117 福岡県太宰府市宰府3丁目2-3 / TEL 092-918-8700

    材料費:1,000円

    ※太宰府天満宮鷽替神事に手作りした木鷽で参加しましょう。

 

○「太宰府木うそ保存会設立15周年記念 つくって、つなぐ ~木うそのちから展~」(仮称)

    日時:平成26年3月18日(火)~23日(日)

    場所:九州国立博物館エントランスホール

    観覧料:無料

 

○「太宰府木うそ保存会設立15周年記念 木うそシンポジウム」(仮称)

    日時:平成26年3月22日(土)10:00~12:00

    場所:九州国立博物館ミュージアムホール

 

◆大宰府木うそ保存会さんのブログはこちら

 http://blog.goo.ne.jp/kiuso0211

 

※太宰府木うそ保存会さんは、平成23年度 第31回伝統文化ポーラ賞地域賞受賞者です。


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