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2012年05月25日

【企画展ご案内】「漆芸・人間国宝 大西勲」展

 2002年(平成14)、重要無形文化財「きゅう漆」保持者に
認定された大西勲氏。
 漆を塗ると見えなくなってしまう檜材の曲輪によるき地づくりから、
何度となく漆を塗り重ね、気の遠くなるような工程を経て生み出される
大西勲氏の作品の数々。
 本企画展では、大西氏の作品とともに、漆の原木や採取道具、
パネル等を展示し、漆の世界をご紹介いたします。


 ■「漆芸・人間国宝 大西勲」展
・5月10日(木)~6月28日(木) 9:00~17:00
・筑波銀行本部ビル2階ギャラリー
・入場無料

◎詳細はこちら
Oonishiisaoten-omoteをダウンロード
Oonishiisaoten-uraをダウンロード


◎筑波銀行ホームページ
http://www.tsukubabank.co.jp/event/20120510.html


※ポーラ伝統文化振興財団では、映像記録作成事業の一環として、
  設立以来30数年にわたり、伝統文化記録映画の制作を行ってきました。
  記録映画ライブラリーは、現在47本になります。
  大西勲先生(重要無形文化財「きゅう漆」保持者、いわゆる人間国宝)
  のわざを記録した映画を2009年に撮影しており、無料で貸出も行って
  おります。
  詳細はコチラ

※「漆芸・人間国宝 大西勲」展会期中に、当財団制作映画
 「うつわに託す-大西勲のきゅう漆」が上映されます。

※文中「き地」、「きゅう漆」の文字の文字化けを防ぐため、平仮名表記に
 させていただいております。

2012年05月25日

【展覧会ご案内】「女子美コレクション展 Part2  沖縄の布-未来を紡ぐ-」展

女子美アートミュージアムで、「女子美コレクション展 Part2 沖縄の布-未来を紡ぐ-」展が
開催されます。
女子美染織コレクションより、琉球王国時代の伝統的な染織品を展示するとともに、琉球・
沖縄と女子美術大学とをつなぎ、その思想を受け継いだ作家の作品、現代の沖縄の染織を
代表する作家の作品が紹介されますので、ぜひご鑑賞ください。


■「女子美コレクション展 Part2 沖縄の布-未来を紡ぐ-」展
・5月21日(月)~6月17日(日) 10:00~17:00(入館は16:30まで)
・女子美アートミュージアム
・入館料 一般500円


◎詳細はこちら
Okinawanonunoten-omoteをダウンロード
Okinawanonunoten-uraをダウンロード
 

◎女子美アートミュージアムホームページ
http://www.joshibi.ac.jp/campuslife/facilities/museum/index.html

※「女子美コレクション展 Part2沖縄の布-未来を紡ぐ-」展の出品作家の平良敏子先生
   祝嶺恭子先生は、伝統文化ポーラ賞の過去受賞者です。

2012年05月25日

[個展ご案内]人間国宝認定記念 加藤孝造陶展のお知らせ

加藤孝造さんの人間国宝認定記念の陶展が開催されます。
志野、瀬戸黒、黄瀬戸、唐津による茶わん、水指、花入、大壷など
新作五十余点が一堂に発表されます。ぜひ足をお運び下さい。

○会期 平成24年6月6日(水)~12日(火)
○会場 日本橋三越本店本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4-1)
○時間 午前10時~午後7時  最終日は午後4時閉場

※詳細はこちら
○三越の美術 http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/art/schedule.html


※加藤孝造さんの伝統文化ポーラ賞受賞について
加藤孝造さんは平成21年に第29回伝統文化ポーラ賞優秀賞を受賞しました。
受賞内容は「瀬戸黒・志野・黄瀬戸の制作・伝承」です。
※文中、茶わんの文字の文字化けを防ぐため、平仮名表記にさせていただいております。
<N.I>

2012年05月23日

╋━◇ 展覧会のご案内━◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

 6月2日(土)より北海道立函館美術館にて
「型絵染人間国宝 芹沢けい*介展」が開催されます。

 

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こちらの展覧会は3月にご紹介させていただきました、
【展覧会のご案内】芹沢けい*介展の巡回展です。

 

人間国宝 芹沢けい*介(1895~1984)は、自然、人間、道具、文字など、
ありとあらゆるものを題材として、「型絵染」による創造を追究しました。

独創的な造型感覚と、ゆたかな色彩表現により、洗練された芸術世界を
静岡市立芹沢けい*介美術館と柏市所蔵の優品により、着物、屏風、のれん等、
約110点を展示されます。

              
また、6月2日(土)、30日(土)各日午後2時より、当館講堂(入場無料)にて
当財団制作の記録映画「芹沢けい*介の美の世界」のビデオ上映会が開催されます。

展覧会へぜひ、ご来場ください!

*芹沢けい介の「けい」の文字が誤変換される恐れがございますので、
仮名表記にさせていただきました。ご了承ください。

  
○会期:平成24年6月2日(土)~7月16日(祝・月)

○休館日:月曜日[ただし、7月16日(祝・月)は開館]

○開館時間: 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)

○お問合せ:北海道立函館美術館 Tel:(0138)-56-6311
      

アクセス、入場料、詳細は⇒ 北海道立函館美術館 HP
                   
チラシ 芹沢けい介展(北海道立函館美術館をダウンロード

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇━━━━━━◇━━╋

個人、団体への当財団制作の映画(DVD,VHS,16mm)を
規定内にて無料でお貸し出ししております。

詳細はこちら↓
http://www.polaculture.or.jp/movie/list.html

ぜひご利用下さい。

【三jome】

2012年05月08日

                

╋━◇ 展覧会のご案内━◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋


金沢21世紀美術館にて4月28日(土)より『工芸未来派』展が開催されています。
本展キュレーターは金沢21世紀美術館長 秋元雄史さんです。


この展覧会は工芸の“現在性”と“世界性”を問う企画展である。つまり、この企画は、
工芸が「“今日”という時代を反映した表現であるか」、また、工芸が現代美術と同様に
「世界の様々な地域に目を向け、様々な、異なった出自をもつ文化と交換可能な世界
共通の課題をもてるか」、という疑問から生まれた展覧会である。

 

 12名の作家による展示は工芸一色であるが、“ 今日のアート” として着目してほしい。

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本展企画展には昨年、「博多人形の制作・伝承」にて第31回伝統文化ポーラ賞
優秀賞を受賞
されました、中村信喬さんの人形も展示されています。

博多人形はモチーフ、形体などに一定の規範があるが、中村さんは自らの
個性表現に基づいて大きく広げた方です。博多人形の可能性を広げ、
人に夢を与える人形を作り続けている中村さんの作品は
「伝統工芸の人形」のイメージを一新することでしょう。

ぜひご鑑賞下さい。

 


○会期    :2012年4月28日(土)~8月31日(金)
    
○休場日   :月曜日(ただし、4月30日、7月16日、8月13日は開場)、7月17日(火)

○開館時間 :10:00?18:00 (金・土曜日は20:00まで)

○料金:<当日> 一般=1,000円 大学生・65歳以上=800円 小中高生=400円

○アクセス、企画展の詳細は⇒ 金沢21世紀美術館 HP
             
                   

 
╋━━━◇ 内覧会でのお話で感じたこと ◇━━━━━━━━━━━━━━━━━╋


このたび内覧会に参加させて頂きました。
そこでの館長秋元さんのお話を少し抜粋させて頂きます。

・・・・・・・・今回は、“これが工芸だ”という風に絞り込むことはやめました。
現代美術に負けないくらい多様な、豊かな表現力があるんだな、と
そのように展示しました。

そここそが大事であると思います。
「工芸」は時として日本と大きく結びついている。国の代表する文化。
しかし、今の時代に生きる工芸は個人の表現、我々が個人で生きているのと
同じように個人の表現として、まずあるのだと。


「これが工芸だ」というのはない。
作家の方たちが、工芸論議をしていること。その時間が重要である。
現代美術と変わらない表現美術であるし、今の時代を形作っている表現、文化です。
その事をもう一度、「金沢」という、工芸の場所から
力強く発信したいと思いました。・・・・・・・・


秋元さんの仰る通り。その気持ちとお考えが表現された作品と展示でした。

伝統工芸から現代美術まで、様々な分野で活躍している作家さんの作品が、
秋元さんの構成により展示されていて、なんとも不思議な空間になっています。

私は、伝統文化の「伝統工芸」を普及する仕事をさせて頂いています。
伝統工芸のいわば王道を真正面から見てきているものとしては、
今回の企画と展示に胸躍らされ、そしてこの展覧会の意味を考えさせられました。

「工芸」の分野も21世紀美術館さんを訪れる、多くの皆さんに、
見て感じてもらえたらいいな、と強く感じました。

夏休みに金沢へ行った際にはぜひ!ご覧下さい。


(三JOME)

 

 

 

 

 




2012年05月28日

【和をつなぐメッセージ】第1回 築城則子さん(染織家)

伝統文化を未来へつなぐお仕事をなさっている方々は、
どのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
これからの伝統文化を担うため、さまざまな分野で
ご活躍の方々に、等身大のご意見を伺うFive Questions。
和をつなぐメッセージを季刊でみなさまへお届けします。
 
第1回は、染織家 築城則子さんからの和をつなぐメッセージをお届けします。

<プロフィール>
築城 則子 Noriko Tsuiki   (染織家)  日本工芸会正会員
1952年北九州市生まれ。                                                         04 
1974年早稲田大学文学部中退後、
久米島、信州などで紬織について学ぶ。
1984年小倉織復元。1994年小倉縮復元。
2004年に東京国立近代美術館
「非情のオブジェー現代工芸の11人―」に出品。
2005年第25回伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞。
2007年文化庁芸術家海外派遣制度の特別派遣
として80日間ロンドンにて研修。
[作品収蔵]
東京国立近代美術館  Victoria and Albert Museum(ロンドン)
日本伝統工芸染織展で文化庁長官賞など受賞多数
銀座 和光ホール他で個展開催


築城則子さんへのFive Questions。
①最近のお仕事で印象に残っていること。

生まれ育った小倉の地に300年以上続いていた小倉織が昭和初期に途絶え、
その再生が叶ったかなと思ってから、もう30年近く経ちました。木綿の縞織物と
いうかなり制約の多いものですが、まだまだ汲めども尽きません。縞の中に揺らぎが
見えるように工夫した「小倉縞木綿帯 面影」が日本伝統工芸展で奨励賞を受賞でき,
新しい展開をさらに楽しんでいます。

01

面影

②この道を歩もうと決心したのは、何歳のとき、どのようなきっかけでしたか。

21才、大学の3年生。近代演劇(室町,江戸期)を学ぼうとして、能楽堂や国立劇場に
通い始めました。能楽堂に充ちている音と色の世界は独特で、すっかり魅了されました。
特に能装束の中に在る色彩感覚に魅かれ,文学から染織へと大きく方向転換したわけ
です。


③座右の銘は。

私の工房名「遊生染織工房」にもしていますが、梁塵秘抄の中の一節、
“遊びをせんとや生まれけむ”。今年の大河ドラマ「平清盛」でさかんにでてきている今様
ですが、自由な精神を大切にしたいと思います。ちなみに、このドラマは若き清盛とその
時代背景が伝わって私は面白いと思います。衣装選びも独特ですし。


④伝統文化を未来へつなぐために、いま、どのようなことをなさっていますか。

一度途絶えた小倉織を復元,再生、ということに、 はからずも関わった私にとって、
「つなぐ」とは、作品そのものだと思っています。もちろん,人を育てることは重要で,
若い人達が次々とその各人の個性で仕事をしてくれて喜んでいます。が、織られた布が
輝けば必ず未来につながると信じています。


⑤和をつなぐメッセージリレー

伝統文化の様々な分野の方が「つなぐ」をキーワードに、リレー形式で質問をつないで
いきます。

☆第一回は、編集部から築城則子さんへのご質問。

小倉織の縞を次世代へつなぐために、大切にしている道具は何ですか。エピソードと共に
お教えください。

☆築城則子さんからのご回答。

竹筬。
経糸の多さが特色の小倉織にとって、櫛のように見える筬のひとつのすきまに各4本、
1cmに60本の糸がひしめきあう筬がステンレスでは弾力がなくて織りづらいものです。
昔から竹を極薄くして用いていましたが,10年程前に作る人がいなくなりました。現在、
下村輝氏を中心とした竹筬研究会が再生に取り組み、作って下さるようになって感謝して
います。

(展覧会のご報告)
現在、平成24年度文化庁主催の海外展として、"日本のわざと美:近現代工芸の精華"を
テーマに "GIAPPONE  TERRA DI INCANTI" (= "JAPAN  LAND OF ENCHANTMENT" :
"魅惑の地、日本") がイタリア フィレンツェのピッティ宮殿博物館で開催されています。
(2012年 4月3日~7月1日)陶磁器や漆工品など103 点の展示品の中に、私の
「小倉縞木綿帯 分水嶺」も選んでいただきました。この展覧会に行ってきましたので、
少し報告したいと思います。

イタリアのフィレンツェにあるトスカーナ大公の宮殿
として使用されたピッティ宮殿は、ルネサンス様式の_DSF0529

広大な建築で、今も多くの人が訪れていました。
内部はタイプの違う6館の美術館に分かれ、
メディチ家をはじめとする各時代の大公が
集めた美術品が展示されています。
そんな中に特別企画展として上記の展覧会が
催されているわけですが、不思議な空間でした。

天井高4メートルはありそうで、天井にはびっしりと
絵画が書きこまれ、天井にも壁にもシャンデリア。
そんなゴージャスな宮殿の中、分厚いガラスで
囲まれて作品があるのですが、静寂で高潔な
空気が満ちていました。

日本で観るのと違う、ミスマッチとも思える余白なしの
空間で、日本の工芸は自らの資質に内在する美を堂々と世界に伝えていたのです。
人間国宝であられた先生方の完成度高い作品から、現代という時代に模索中の
私のような者まで、その作品群は日本の工芸の一断面を切り取っているように感じました。
照明を落とした部屋の中で、ひときわ存在感を放つのは、ガラスケースの周りや背景に
用いられた「青」、ジャパンブルーというイメージからでしょう、藍色というよりは青でしたが
暗めの空間には似合っていました。
藍色系の作品の背景は白に変えてあり、納得のいく展示でした。当初、ピッティの
ホームページなどに書かれていた英語タイトル「JAPAN LAND OF ENCHANTMENT」が現場
では「THE ELEGANCE OF MEMORY」と変わっていました。(イタリア語タイトルは全くわかり
ませんので悪しからず)追憶の風雅、とでも訳せばいいでしょうか、エレガンスという言葉を
あててくださって嬉しく思いました。
クールジャパンなどとも言われていますが、今こそ日本文化の格好良さを私たち日本人も
再認識しつつ誇りにしたいものです。


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